世界のアニメーションシアター WAT2016予告編

林緑子さんが感じたWAT2016

プロフィール/林 緑子(はやし みどりこ)
2000年から短編アニメーション自主上映会「ANIMATION TAPES」を開始。
2012年から、名古屋市内に上映+カフェスペース「シアターカフェ」を江尻真奈美と共に運営。

プロフィール/江尻真奈美(えじり まなみ)
あいち国際女性映画祭、シネマスコーレを経て、2012年から、上映+カフェスペース「シアターカフェ」を林緑子と共に運営。

プシアターカフェ(http://www.theatercafe.jp/)は現在移転のため、閉店中ですが、来春名古屋市東区にリニューアルオープン予定です。
カフェシアターのtwitter https://twitter.com/theater_cafe?lang=ja
カフェシアターのブログ「カッパとリンゴ」 http://theatercafe.blog.fc2.com/

江尻真奈美さんの全体評

全体に女性、ドキュメンタリーアニメというテーマに忠実に集められたラインナップ。
かなり重いテーマが多いので、ドキュメンタリーではきつすぎる部分をアニメーションという手法で描くことで敷居が少し下がり、見る人をひろげていくのは素晴らしいことだと思います。
実写では表現するには厳しいところをアニメーションで、とは言っても、逆にずっしり来たりもするんですけどね。
割とほほえましくある『Birth-いのちつむぐ』と『Birth-いのちおどる』と対を成してそうな『まだ生きている』、ほかDVや児童婚など女性問題が多いのも女性監督特集ならでは。
多くの方に見て、考えてほしい素晴らしいプログラムです。

林 緑子さんのおススメ映画

彼岸

臨死体験をする主人公は、生と死の間をさまようなか、さまざまな人と出会う。いつ何が起こるか、誰しも自分の未来はわからない。
瞑想的で内省的な作品。

まだ生きている

生まれなかった命はどこへいくのだろうか・・・。
実写とアニメーションを組み合わせたエッセイシネマ。

越えられない川

緊張関係にある、青と赤で分けられた領土。
血の通った人間として、個人同士なら交流できても、共同体の枠組みから考えるとうまくいかない。
原色の荒い塗りが、テーマを明示している。

生き残る、チャプター1

インタビュー音声に抽象的なイメージを乗せることで、話者の長年の心理状態を想像させる。
イメージは生命線や鼓動、境界線のようにもみえる。

父の部屋

忘れたい父の思い出を封印したダンボール箱に比喩し、現在と記憶を行き来する主人公。
シンプルな手描きアニメーションで、トラウマを丁寧に描いている。

フェルーザの夢とともに

作り手が部屋にこもって映像制作することと、外の世界で社会に関わることがリンクして、1人の女性やその家族を変える。
社会の中でどのように生き、ものを作っていくのかについて考えさせられる、パワフルで勇気をくれる作品。

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